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病棟看護師を辞めたいとき、転職の前に考えたいこと

病棟看護師を辞めたいとき、転職の前に考えたいこと
Photo: Tran Nhu Tuan / Pexels

「もう病棟を辞めたい」。夜勤明けにそう思うのは、あなたが弱いからではありません。まず結論を言うと、辞めたい気持ちは原因ごとに切り分けると対処の道筋が見えます。そして辞める以外にも、異動・休職という選択肢が残っています。

その気持ちを、どうか甘えだと決めつけないでください。

「辞めたい」の正体を分けて見る

ひとくちに辞めたいと言っても、引き金は人によって違います。夜勤の身体的な負担なのか、特定の先輩やドクターとの人間関係なのか、それとも患者の命を預かる責任そのものに押し潰されそうなのか。ここを混同したまま転職しても、次の職場で同じ壁にぶつかることがあります。

ざっくり整理すると、こうなります。

  • 夜勤・交代制がつらい → 日勤のみのクリニック、外来、健診センターなど夜勤のない職場へ
  • 人間関係 → まず同じ病院内の異動・病棟異動で変わるケースも多い
  • 責任の重さ・急変対応の緊張 → 訪問看護、介護施設、産業看護師など、業務の性質が異なる場所へ

夜勤がしんどいのか、人間関係がしんどいのか。紙に書き出してみると、自分でも意外な順位に気づくことがあります。

危ない「限界サイン」を見逃さない

転職か継続かを考える前に、自分の状態を確認してほしいタイミングがあります。

休みの日も仕事のことが頭から離れない。出勤前に動悸や吐き気がする。眠れない、または朝起きられない。食欲が落ちた、涙が急に出る——こうした状態が2週間以上続くなら、それは性格や気合いの問題ではなく、心身がアラームを鳴らしている合図です。

無理を重ねた末の判断は、たいてい視野が狭くなっています。まずは受診や産業医への相談を。動けるうちに休むのと、倒れてから休むのとでは、その後の回復速度が大きく変わります。

辞める前に取れる三つの選択肢

辞表を出す前に、知っておきたい道があります。

ひとつは異動。人間関係や特定の診療科の忙しさが原因なら、退職せずに病棟を移るだけで環境が一変することがあります。師長や看護部に相談する際は「人間関係が」と言いづらければ、「別の分野を経験したい」という前向きな言い方でも構いません。

ふたつめが休職。心身の不調が理由なら、いったん離れて立て直すのも立派な選択です。医師の診断書があれば休職を申請でき、その間の生活費を支えるのが健康保険の傷病手当金です。業務外の病気やケガで連続3日休んだ後(待期)、4日目以降の働けない日について支給され、金額は標準報酬日額のおよそ3分の2が目安。支給期間は通算で最長1年6ヶ月までです(2022年1月の改正で「暦の上で1年6ヶ月」から「実際に受け取った日を通算」へ変わりました。健保協会の公式情報や加入する健康保険組合で要件をご確認ください)。

みっつめが転職。異動でも休職でも解決しない、あるいは組織そのものが合わないと感じるなら、職場を変えるのが現実的です。

辞めると決めたら、伝え方も大事

退職を決めたら、就業規則で退職予定日の何日前までに申し出るかを確認しておきましょう。多くの病院では1〜2ヶ月前を目安にしていますが、民法上は期間の定めのない雇用なら申し出から2週間で退職できます。とはいえ引き継ぎや師長の心証を考えれば、円満に進めるに越したことはありません。

伝えるときは、直属の上司(多くは師長)に先に。同僚やSNSで先に漏れると話がこじれます。理由は「一身上の都合」で十分です。引き止めにあっても、すでに次が決まっているなら揺らぐ必要はありません。

焦って次を決めないために

辞めたい一心で求人に飛びついて、また夜勤地獄に逆戻り——これは避けたいところです。だからこそ、自分の「辞めたい原因」を起点に職場を選ぶのが近道になります。

夜勤を外したいのか、規模の小さい職場がいいのか、それとも給与を維持したいのか。条件を絞ってから探すと、求人の見え方が変わります。看護師の転職サイト比較では、夜勤の有無や対応エリア、得意分野といった軸でサービスを並べています。在職中に情報だけ集めておくのも手です。

辞めるか続けるかを、今日この瞬間に決め切る必要はありません。選択肢が複数あると分かるだけで、少し息がしやすくなるはずです。